煌めきの瞬間
「隼人さんと楓さんの彼女さんたちですか!?」
えっ!? 彼女さん!?
大きく首を横に振るわたしの隣で、美鈴が笑って答えた。
「彼女なんかじゃないよ。隼人とは、ただの幼馴染」
「えっ、そうなんっすか!?
俺、山内大地っていいます! 第一高校一年、隼人さんと楓さんに憧れる元野球バカです!」
近距離で話してる山内くんの大きな声が、体育館中に響いている。
その声と小麦色に焼けてる肌が、今までずっと野球をしていた事を物語っているようだった。
「おい、声デカすぎ」
「あっ、すみません!!」
「だから、その声がデカイって言ってんの」
山内くんと話してる咲坂さん。
外を向いたままの安藤さん。
二人が長身のせいか、同じ男性なのに山内くんが小さく見える。
いや……周りをよく見ると、山内くんは小さくないんだけど。