時雨の夜に
君に会う





次の休日に、私は部屋の片付けをした。


いらない物は惜しまずゴミ箱に押し込んで、いる物はキレイにして寄せておく。

でも、なかなか作業がはかどらなかった。


例えば、大学のレポートだとか、友達から貰った手紙の山だとか、昨日まで「彼氏」だった人と写った写真だとか。


その大事な思い出を、簡単に捨てられるはずもない。


そういうわけで、未練がましい自分と対峙しながら、幾日かを自分の部屋で過ごしていた。


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