不思議病-フシギビョウ-は死に至る


そして、七夕の日が来た。

いつもどおりオレとリンはそろって文芸部部室に向かった。





「竹なんてどこから持ってきたんだ」

「これは小型だから笹と呼ぶのだよ、ナオキ」

そんなことはどうでもいい。

――文芸部部室の壁にはたくさんの葉をつけた笹が立てかけられていた。

「なんでまたこんなものを……」

「盛大に七夕するためだよ!!」

テンションたけえ。

「……まあ、壁に貼ったり天井からつるしたりするよりはマシなんじゃないかなあ」

カナコが苦笑いしながら言った。

この分だったら短冊の供養も本気でやりかねない。

いや、キョウスケのことだから必ず実行するだろう。

……近所迷惑だな。





それから部活メンバーで短冊を笹に飾り付けていった。

少し気になったので短冊を見てみたが、

「文芸部にあまり振り回されませんように」

「ああ、それ、くるりんの短冊だ。せっかくだから書いてもらったのだよ」

「明らかに文芸部を迷惑がっている文面なんだが」

「ははは、その短冊の意味するところはつまり、文芸部の活動は全てワタシに一任していいということだよ」

すげえポジティブシンキング。

文芸部顧問くるりん……これからも頑張ってくれ。

本名は相変わらず知らないが。


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