学校では教えてくれない"不倫学"
あと、家庭という「安心」の象徴のようなものの中にいると、人はたしかに安心感をおぼえ、強くもなれるものですが、その分、学生のころにもっていたような、新しいものに挑戦する気持ちが薄れて、守りに入ってしまいがちです。

「家族のため」にしたくもない仕事をし続けるのは、学生には絶対にマネできないことです。

しかし、不倫の恋は、そんな責任感というプレッシャーから自分を解放させます。家庭という安心感を感じながらも、学生のころのような刺激に満ちた生活が送れたりします。
家族にバレないようにあれこれ考えたりするのはたしかに大変なことですが、ただ、よき家庭人を守ってきた時には使わなかった頭を使いますし、そのハラハラドキドキが、クリアできた時のよろこびにもなります。

こういったことは不倫相手にもいえることで、その人が学生であっても、相手が大人である以上、おなじメリットを共有することができます。

スリルがあるからこそ燃えるし、なにより、逢えない分、想いが凝縮されて、それが愛しくなる。

それは間違いなく、学生とつきあうよりは、お金もあるからいわゆる「いいデート」ができますし、セックス経験も豊富だから気持ちよくいられるし、異性に対しての接し方もわかっているので「なんでこうしてくれないの!?」とイライラすることもない。

また、それ以上に、ワガママをやさしく受け止めてくれるもんだから、自分もゆとりを持って相手の都合を尊重でき、やさしくできる、つまり大人になっていく実感を味わえます。それは、学生同士、若い社会人どうしでは感じられない気持ちです。

そんなわけで、学生時代から不倫にハマる人もかなり多いわけです。


しかし、だからこそ、学生同士の恋愛とは、根本的に違うものになるのです。

とうぜん、それを楽しむためのメソッドも知らないまま、不倫の恋に翻弄されることだってあるわけです。
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