たべちゃいたいほど、恋してる。




無邪気に笑っていたはずの彼女は、いつのまにかいなくなっていた。

それから徐々に離れていった二人の距離。




『…もう、無理』


『俺も』




そう言って、もはや最初の面影をまったく無くした彼女が正式に別れを告げたのは、高校受験を控えた中学三年の春のこと。


それからは特に関わることなく一年を過ごした二人。

時々龍之介が井上を見かけることはあったが、その姿に何かを感じることはなくなっていた。


やはりその程度だったと納得した龍之介は、中学入学時から決めていた桐花の受験のため気持ちを切り換えて嫌いな勉強に明け暮れたのだ。




…────


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