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「そろそろ慣れてきたかい?」

「白良さん…」


いつの間にか白良さんは私の後ろでネクタイを締めていた。


「学校のこともあるけど、もうここは君の家なんだ。そう遠慮しなくてもいいんだよ?」


白良さんは優しく私にそういった。


「……」


私は何も言えず、ただ黙ってうつむくしか出来なかった。


「まぁ相談ならいつでも聞くよ。それじゃぁ行ってくるね」

「いってらっしゃい」


白良さんはちょっと困った顔で私の頭をなでると洗面所から出て行った。



遠慮はいらない。


わかってるけど、それでもしてしまう。だってこの家は・・・・・・



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