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みんなが先生に向かって喋っている中、急に誰かが話しかけてきた。
「あー。おもろwあ、香狩サン。
あたしは藤原藍華(フジハラ アイカ)。
このクラスの委員長をしてるんだ。よろしく。」
「よ・よろしく。」
私はそう言いながら藤野さんって人を見た。
顔は私より1・2歳年上に見えるくらい大人びてて(うらやましい)
どちらかといえばクール系。ギャル系にも見えなくはない。
背は高めでスラッとしていた。165㎝くらいだろうか。
「香狩サンちっちゃいネー♪かぁわいww」
「わあ!!」
突然後ろから誰かが私の背中に乗ってきた。
「ちょっと、紫希(シキ)。ヤメなさい。
香狩さんが驚いてるじゃない。」
「あはは~♪ごめんごめん。」
そういいながらやっと私の背中からどいていってくれたのは、
色白で可憐な子だった。
「ハジメマシテ。あたしの名前は山梨紫希(ヤマナシ シキ)ヨロシクぅ~♪」
「はじめまして。」
彼女は可愛く笑うと私の手を握った。
「ねー石ちゃん。結局香狩さんの席ってどーすんの?」
藤原さんが石崎先生に向かって、そういった。
そうだ。私の席。そう思いながら、私は教室を見渡す。
……あった。たった一つだけ空いている席があった。窓側の席だ。
私はその席に近づくと藤野さんを探して言った。
「えっと。藤原…さんだっけ。私の席、ここで良いよ。」
すると藤野さんは私のほうを見ると安心したような顔をして笑った。
「そうね。紅乃ちゃんの隣しか空いてない……みたいだし。
うん。じゃぁ座席表にかいておくわね。」
「ありがとう。」
私は藤野さんにお礼をいうとすぐに席に着いた。
「あ、香狩さん。」
私が席についてしばらくすると隣から声が掛かった。
「?なに?」
私は鞄のなかから教科書を出している手を止めて聞き返した。
「え、あ。いやただ教科書が違うから・・・」
「え?」
私は自分の手の中にある教科書と彼女が出した教科書を見比べる。
…なるほど。確かに違う。
「仕方ない。今日だけ見せてくれる?」