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しばらくして石ちゃんはまぁ今日はこれくらいだな。
というとすぐに号令が掛かった。


「起立ー。礼。」

「「「「「「有難うございました!!」」」」」」




ザワザワザワ・・・




号令が終わると同時に生徒達はばらばらと帰って行く。

「朱嘉ちゃん行こー♪」
 
紫希と藍華がそういいながら近づいてくる。

「じゃぁまた明日。ばいばい朱嘉。」

「ばいばい。」

紅乃はそういうとさっさと教室から出て行った。
紫希達とはすれ違いざまにばいばい。と言っていた。

「帰り支度終わった?じゃぁ行こ♪」

紫希はそういうと私の腕をつかんで早くたたせようとする。

「いたいた。おーい。山梨。藤原。」

「ほえ?」

「え?」

二人は反射的に声のした方を向いた。
そこには職員室に行ったはずの石ちゃんがいた。

「なぁに?石ちゃん。」

「私たちになんか用?」

二人は私の腕を引っ張りながら石ちゃんに近づく。


「ああ、ちょっとな。まず山梨。
お前まだ英語のプリント出してないだろう?
岬先生が呼んでいたぞ。」

石ちゃんはため息混じりに紫希に報告する。

「うぇー。まだやってないよぅ~。
それに期限がいつまでなんて聞いてないもん。」

紫希はしかめっ面をしながらも抗議する。


・・・知らなくても早めにやっとけば良いのに。

 
「そんなこと俺に言われてもな。言うんなら岬先生に言え。
で、藤原。悪いんだがこれからちょっと職員室に行って
佐々木先生の手伝いをしてやってくれんか?」

「えぇ!?なんで私が!!」

藍華は思いっきり顔をしかめる。


・・・確かになんで藍華がしなきゃいけないんだろ。


私は藍華と一緒に石ちゃんの顔をみる。

「だってほら。お前は委員長だろう?
明日の国語の授業で使うプリント類の整理を手伝ってほしいそうだ。
なぁにそんなに時間は掛からんて。な?」

「・・・・。一時間で終わるの?」

「そこまでは掛からないんじゃないか?」

「わかった。」

藍華はしぶしぶといった感じで答えた。

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