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紅乃は私の視線に気づいたのか振り向いてこっちを見た。
「私は部活があるから三人で行っておいでよ。」
紅乃は私の気持ちに気づいてくれたのか、
微笑みながらそういってくれた。
「・・・いいの?」
私はなんとなく罪悪感が沸いてきて紅乃に聞いた。
もし、紅乃が行きたがっているのなら三人だけで行くのは気が引けるからだ。
「いいよ。行っておいで。どうせ"ドルチェ"に行くんでしょう?」
「あったりー♪」
紫希は私に抱きつきながら笑顔で答える。
すると紅乃はやっぱりね。と笑顔で言った。
「よくわかったね。私達が"ドルチェ"に行くって。」
藍華は腕を組みながら紅乃に聞いた。少し驚いているみたいだ。
「だってあそこは二人のお気に入りのカフェでしょう?
私と初めて話した日も、放課後おんなじように私を連れてったじゃない。」
紅乃はくすくすと笑いながら帰り支度を始める。
「そうだっけ?」
藍華も微笑を浮かべながら紅乃を見る。
「そうだよ。」
紅乃も笑う。その二人の姿は私が見ても綺麗だなって思えた。
あそこのガトーショコラはおいしいわよね。などと
二人は"ドルチェ"の話をしている。
実を言うと私も結構甘党で、
おいしいケーキがあると言われれば行きたくなる。
「じゃぁ・・・行こうかな。」
私は二人の会話を聞きながらそう答えた。
すると私を抱きしめていた紫希が私の耳元で嬉しそうに言った。
「やった☆じゃぁSHRが終わったらそっこー行こうね♪」
ガラッ
「おーい。皆ー。席に着けー。SHRはじめんぞー。」
そういいながら入ってきたのは石ちゃんこと石崎先生だ。
「あー。なんだ。最近この近くで不良共がふらついてるみたいだから気をつけろよ。
あと赤点取ったやつは早めに課題提出しろよ。夏休みなくなるぞ。あとー・・・」
石ちゃんはずらずらと注意事項や明日の予定などを話していく。
石ちゃんが話している間、私はというとさっさと帰り支度をしていた。
周りの皆も話を聞いているのか聞いてないのか帰り支度をしている。