きっとそれを      平凡と呼ぶのだろう

 少しでも卵巣内の血液を減らしたい。
 点鼻薬を貰い、毎日朝晩二回使用する。
 しかし一度忘れてしまうと、だらだらしてしまい、定期的な使用が見込めなくなった為、薬を変えた。

 月に一回薬を腹部に注射する。
 揉んではいけない。
 揉むと一気に薬が広がり一ヶ月保たなくなるからだ。
 忘れてしまう心配はなくなった。

 そのかわり、高額な薬代を取られることになる。
 月、薬代だけで一万二千円。
 他にも痛み止めや診療代で、母にとっては大きな負担となっていたことだろう。

 点鼻薬もそうだが、半年間しか使えない。
 体への負担が大きすぎるからだそうだ。
 そして半年過ぎないと再度治療が出来ない。

 半年の注射で数値は下がり、腫れも退いたが、その後の半年で元のサイズに戻ってしまう。
 それを繰り返していくしかないのだ。

 完治はしない。

 元のサイズに戻らなかったとしても、いつまたその動きが再開するかも解らない。
 不治の病なのだ。


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