きっとそれを      平凡と呼ぶのだろう

 名前も変わっていて、不安はあったが掲示板に書き込み。
 メールが届き、また連絡を取るようになった。

 変わらぬ声。
 変わらぬ口調。
 艶っぽさ。

 『久しぶりだね』なんて言葉は必要なかった。
 かわりに何度も携帯で愛を語り合った。

 それも長くは続かなかった。
 結ばれることのない運命って、本当に有るのかと本気で思った。

 何度も彼との別れと出会いを繰り返した。
 けれど、もう二人は大人になってしまった。
 自分たちが結ばれるには、障害があまりにも多すぎる。

 奏は何人もの人と付き合った。
 彼もまた、そうだっただろうと思う。

 恋愛に一番邪魔なのは、
 『大人』という障害
 だと、今思う。
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