私、不良です
すっかりボードには黒ばかり。
私は働かない脳で考える。
「不良ってそういうもんだ」
スキンヘッドが唱えた。
坊さんか。
「知ってる」
私は良い所を見つけて
黒を白に変えていく。
自由を求めて
たどり着いたのは虚しさ。
たまにバカらしく感じる。
―自分が。
「あんたさ」
私の番が終わり手を引っ込める。
スキンヘッドは少し考えてからマグネットを置く。
私は何も考えもしないで躊躇なく置いた。
「自分がバカだと思ったことある?」
「説教か?」
「違う」
スキンヘッドが置いた場所を見つめる。
「まぁ、あるんじゃねーの?」
他人事のように彼は言った。
「そっか」
私はそれ以上その事を
聞こうとも思わなかった。
「あ」
気づいたらマグネットを
置く場所もなくなっていて
圧倒的に黒が多かった。
何も言わずにボードから
マグネットを片づけるスキンヘッドに
悔しく思う。