私、不良です
「姉ちゃん学校は?」
「楽しいよ」
「行ってるんだぁ」
ハルはひどく喜ぶ。
ぬか喜びと気付かれないように
私は口をつぐんだ。
「さて行くわ」
私はカバンを持ちタオルを持ち上げた。
「待って」
ハルが私の半乾きの髪を触る。
「ちゃんと乾かさないと
髪が痛んじゃうよ」
「もう痛んでる」
私は振り払うように
玄関に向かった。
ハルはすぐに追いかけてくる音がした。
「次いつ帰ってくる?」
「さぁね」
未来の予定を考える気にはなれない。
だってその日にそうしたいかなんて
その時の私にしかわからないじゃない。
「待ってるよ」
彼の返事を返さずに
私は外に出た。
ハル…大きくなってたなぁ。