私、不良です



寂しさと孤独を感じると
人は誰かのぬくもりを欲しがる。
この空疎の塊である屋上にいる
私は目が覚めるといつも思う。

ここからいつも離れたい気分だ。

でも離れようとはしないのは
なぜだろう?



突然の雨で私は屋上のドアの
内側に避難した。
屋上生活を始めて初めての雨。
室内は湿気くさい臭いが漂う。

今日、一日降るのかなぁ。

「先輩♪」

私の舎弟アリスが階段を上がってきた。
アリスはちゃんと授業を受けていて
放課後になると遊びに来てくれる。
急にアリスの目つきが変わる。

「スキン先輩は?」

「さぁ、雨だから来ないんじゃん?」

スキンに関わる事になると
急にアリスの目が鋭くなる。
それはスキンがアリスの好きなセキって奴の
敵だからである。

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