私、不良です
「セキってどんな奴なの?」
階段に座り一種の恋バナを始める。
「カッコイイ人ですよ」
アリスは頬を紅潮させる。
カッコイイリーゼントねぇ…。
とっても古風な不良だわ。
「他校?」
「はい。本当はココ一番に強い
不良だったんですがスキンのせいで
汚名を被せられました。」
つまり、負けたって事ね。
「だから私は汚名返上の
お手伝いがしたいと申し出ました」
「それで…スキンを抹殺してこいと…」
アリスは首を横に振った。
「いいえ。そんな女を使う女々しい
命令なんてセキさんはしません」
アリスは決心するようにまっすぐ前を見る。
「私は自らの意志でスキンを
倒すと決めました。」
「そんな事したら
セキに反感を喰うんじゃ…」
「構いません」
アリスの頑な威勢に怯んだ。
「私はセキさんを好いている以前に
一人の不良として認めてもらいたいんです」
そう言ってから彼女は
緊張していたのか
大きく息を吐く。
「恋バナは恥ずかしいものですね」
とアリスが苦笑する。
「いーじゃん」と私は
隣ではにかんでみせた。