約束
「奈々・・。」
『そっくりでしょう?』
声まで一緒だった。
話し方も仕草も全て奈々だ。
「てめ・・なんで・・。」
『なんで顔が変えられるかって?』
『俺はこれから生まれる生命なんだよ。』
「これから、生まれる生命?」
『あぁ。命はいつか終わる。それは蝋燭のように。強い風が吹くと突然消え、長く燃え小さくなった火は自然と消える。』
「だから?」
『俺は昔死んだ。そして、今お前が死んだ。』
そいつは面白そうにまた顔を変える。
『優!』
次の顔は健介だった。
『俺にはまだ顔も名前も何もない。』
「だから俺に化けるのか?」
『別に誰だっていいさ。ただ、身近だったのがお前の顔。』
また顔を変える。
グニャリグニャリと。
「北川君。」
次は先生。
「やめろ・・やめてくれよ・・・。」
いつの間にか俺の目には涙が溜まっていた。
こぼれ落ちた涙を見るとそいつは顔を変えるのを止めた。
「も・・やめて・・くれ。」
『何故泣く?』
「辛いんだよ。離れたくない。俺まだ、何も・・・。」
『仕方ないだろ。お前は死んだんだ。』
「わかってる!だけど、頭じゃわかってても・・。」