夢デアエタラ
【現夢三回目ー10】


警戒しながらも
終始無言で登り続ける
螢とアスマは

いつでも戦闘ができる
体勢に入っていた。






「…来るとしたら
あそこの広場だな…」







数10メートル先の方に

真っ平らな平原があった







数で一気に囲むには
最も
適している場所である。







だが、
そんな危険をかえりみず
螢はズンズンと
歩いていく。







さすがに
心の隅にほんの少しの
恐怖を抱いていた
アスマは、

そんな螢の姿を見て
少し感心していた。





アスマも負けじと
早足で歩き続けた。







そして、
平原に出た瞬間、

それは螢の言った通り

事は始まった。







ババババ!!!!







一瞬にして、
統率のとれた動きが、
螢達を綺麗に囲んだ。







どこからわき出たか
分からないが、
次々と陣系を組んでいた







間違いない、
この機敏な動きは……








モヤにかすれるものの
それらはハッキリと
姿を映し出した。







螢の目の前には、

あのサハラ一族達が
並び連ねていた……
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