レンズのスガオ



ろ、6年。
6年後っていったら、私達が22歳位……。

「ろ、く年」

「ん、六年。でも、おれからしたらやっと、あと六年、なんだ。意味分かる?」

「うん、まぁ。」

「ホントに最初の2、3年はキツかった。」


そうだよね、まだ少し幼いころだもんね。
でも、私だって…

「おれだけ?愚痴んの。」

「え。」

お前は?って、目で言われた、気がした。
私、は…。

「私、はね。お母さん、知らない。血のつながらないお父さんに育てられた。
私、お父さんがいっぱい居るの。お母さんのせいで、だれがお父さんか分からないの。」
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