トーキョークラブ





「先輩、結衣さんが退学届出したって本当なんですか!?」




珍しく興奮している小坂は、真っ白な頬にこめかみから汗を一筋流している。


どうやら、俺を探しながらこの分厚いラバーソウルでキャンパスを走り回っていたみたいだ。




「小坂ってそんなに情報通だったっけ?」


「さっき同じ学科の子が、事務室で退学手続きをしてる結衣さんを見たって…」




小坂は息を切らしながらそう言って、俺の隣に腰を下ろした。



「結衣、意味分かんねーよなぁ。退学の理由を聞いてもさっぱり。何も話してくれないし、かといって深刻そうでもない。さらっと退学の話をしやがったんだよ」




すると、俺の言葉を聞いてか、小坂は隣で長く息を吐いた。


おまけに細長い脚を伸ばして、真っ黒に囲まれた大きな目で空を仰いだ。






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