トーキョークラブ
「やっぱり結衣さん、諦めちゃったのかな…」
「はっ?」
「だから、絵を描くこと。この前は作品集を捨てたし…今日はついに退学。理由も言わないなんておかしすぎますよ」
小坂は俺の目を見て、また長く息を吐いた。
「…小坂、さぁ。この前言ってたじゃん?結衣が絵を描くことを諦めてるって」
長いまつ毛で影を落とす小坂に、俺は戸惑いながらもそう尋ねた。
小坂はしばらく、黙った。
「きっと、結衣さんは何かを抱え込んでる。それはスランプとか、挫折ではなくって、もっとダークなもの。私にはそんなオーラが見えるんです」
ダークなもの?
オーラが見えるとか、やっぱり小坂は変わってる女だと思いつつ、俺は腕を組んで唸った。