六天楼(りくてんろう)の宝珠
 腕の中に他の女を抱きとめながら、彼は遠く鳳洛に屋敷に置いてきた女(ひと)を思い眩暈(めまい)を覚えた。

 立場こそ違えど、まるで自分がしている事に似てはいないだろうか──と。
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