僕の隣に、もう君は居ない。




「忘れないでよっ!!」




「勝手に忘れないでよ、、
 智、あたし本当に
 智の事好きだった。
 一時でも一瞬だったとしても
 本当に。
 初デートも全部あたし覚えてる。」





「ダイスキだったよ、智・・・・」




「もー最悪、
 せっかくセットして貰ったメイク
 ぐっちゃぐちゃぁ。
 智のせーだからねっ
 ・・ヤバイッ時間ないし・・
 もー行くね、じゃぁ・・」



キィ、と音をたてて
パタン、と閉じた扉。



菜都の、あのフローラルの香りが
誰もいないこの部屋で
悲しく霞む。



「・・・・虚しー。
 俺、カッコわりぃー
 菜都、カッコいーし・・・・」



ぽつりと、呟いた。




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