月と太陽の事件簿13/アルテミスの翼
ああ、達郎兄ちゃんにツッコミくらうなんてあたしの彼氏って、一体…。

「ごめんなひゃい」

らちがあかないので素直に謝ると、達郎兄ちゃんはすぐに手をはなしてくれた。

「もー…」

確かにあたしが悪いけど乙女の鼻をつまむなよ。

「そういえば、事件を解決してやるみたいな事を言ってたけど、大丈夫なの?」

マスコミに騒がれず、秘密裏に解決なんて、できそうもないけど。

「実際にトラブルの現場みたわけじゃないから、その点に関してはなんとも言えない」

やっぱり。

「撮影現場のトラブルって何が起きたの?」

「最初は些細なことだったらしいんだがな」

「些細って?」

「弁当が無かったり、衣装を隠されたり…」

「トラブルって言うより嫌がらせみたいね」

「ところが、最近やり口が荒っぽくなってきたんだと」

「荒っぽいって、どんな事ですか?」

達郎兄ちゃんは湯月くんの問いかけに、指を折って答えはじめた。

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