月と太陽の事件簿13/アルテミスの翼
「シューズにカミソリが仕込んであったり、ケータリングに農薬が入ってたり、階段のシーンで、その階段に油が塗ってあったり…」

「完全に翼さん狙ってるじゃない!」

「だから脅迫状も伊達じゃないってことだ」

『お前の翼をもぎ取ってやる』

脅迫文を思い出したあたしは、背筋に冷たいものが走るのを感じた。

ほ、本当にこのバイトこなせるんだろうか…。

そう思った時、ホイッスルが響き、あたしたちの目の前にボールが転がってきた。

ボールがサイドラインを割り、プレイが中断したのだった。

あたしたちの近くに立ってた、両手にボールを持った男性スタッフが、そのうちの一個をフィールド内に放る。

芸能人フットサルと言えど、真剣勝負に変わりはなく、審判をはじめとするスタッフは、選手並にスタジアムを走り回っていた。

「この試合が終わったらCM録りだそうだ」

試合再開の模様を眺めながら、達郎兄ちゃんが言った。

「トラブルの現場へ飛び込むぞ」

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