鉄壁魔王と勇者
「やだなぁ、ルシェちゃん。フィーカさんは、まだ言い足り無いに決まってるでしょ?」

当然と言わんばかりの勇者の言葉に、魔王の眉が、ほんの微かに震えた。

それは不快だったからだと、魔王は思った。

(我が、動揺するはずない。)

「戯れ言など、いくら聞いても不快なだけだ。」

言い切り、魔王は手の上の武器を勇者へと放った。
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