苦くて甘い恋愛中毒


「あんな場面見ちゃっていらいらしてたから飲んでたら、つぶれちゃって。通りすがりの人に助けてもらった、以上」

嘘ではない真実を述べる。
これで文句はないでしょ?


「本当にそれだけぇ? 大体、その通りすがりの人って誰よ?」

「知らないよ、通りすがりだもん」

まだ納得できない様子だったが、あくまでも白を切り通す。
何とかこれで逃げ切れるだろうか。


「ふーん、どうしても言わないつもりなのね。いいよ、わかった。菜穂ちゃんが大学時代にやらかした悪行の数々を学内で言いふらしてやる」

……悪魔だ、この女。

朋佳とは大学4年間をほとんどと言っても過言ではないくらい一緒に過ごしてきた。
それゆえの弱み。

「いろいろあったよねぇ。どれから暴露しよっかなぁ」

「分かった、言うわよ! あんたって本当最低だわ」

この執念っぷりをこいつにベタ惚れのフィアンセにぶっちゃけてやりたい。
まぁその執念で彼との婚約までこぎつけたわけだけど。

朋佳は卒業後、晴れて彼のもとに永久就職ってわけ。
まさに天晴れ。


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