ペットショップ MARIMO

ハムスターに襲われるとしたら、噛まれるのが一番危険だが、体もさほど大きくなく、先日のさくらの様な心配は無さそうだ。

しかし、どう気持ちを切り替えようとも、やる気にならなかった。

「だってさ…『太りすぎて困ってます』って、飼い主の責任じゃないの?」

目的の家にたどり着いたものの、一向にシンシの背中から降りてくる気配がない。

むしろ、やだ、行きたくない、と文句を言い始める。

「やだと言われましても…もう着いてしまいましたし」

下唇を突き出し、目を細めて依頼主の家を見上げる。

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