ペットショップ MARIMO

「はい、それでは行きましょうか」

葉瑠に背中から降りるように促し、どうやって見つけているのか解らないが、またもやカジからの情報があった隙間から入り込む。

『これって、間違いなく不法侵入だよ…』

まだ、バイトを初めて3日目だが、ペットショップの従業員への不信感は減るどころか、増える一方だった。

しかし、考えて解ることなら、とっくに不信感など無くなっていることだろう。

家に入って周りを探す。
「えっと…。」

探していたハムスターは、小さなテーブルの上に居た。

今の葉瑠の身長では、登ることはできない。

「ゲージが高いよ。シンシに乗れば上に行けると思うけど、スペースあるかな?」

とりあえず近くまで歩いていく。ワンルームや、アパート程度なら、さほど気にならないが、一般的な一軒家は、天井が高く余計に広く感じる。

小さなテーブルの前でシンシがジャンプした。

「私が降り立つ程のスペースはありますね」

その言葉を聞いて、葉瑠ははしごを登り始めた。

< 47 / 108 >

この作品をシェア

pagetop