ペットショップ MARIMO
「はい、それでは行きましょうか」
葉瑠に背中から降りるように促し、どうやって見つけているのか解らないが、またもやカジからの情報があった隙間から入り込む。
『これって、間違いなく不法侵入だよ…』
まだ、バイトを初めて3日目だが、ペットショップの従業員への不信感は減るどころか、増える一方だった。
しかし、考えて解ることなら、とっくに不信感など無くなっていることだろう。
家に入って周りを探す。
「えっと…。」
探していたハムスターは、小さなテーブルの上に居た。
今の葉瑠の身長では、登ることはできない。
「ゲージが高いよ。シンシに乗れば上に行けると思うけど、スペースあるかな?」
とりあえず近くまで歩いていく。ワンルームや、アパート程度なら、さほど気にならないが、一般的な一軒家は、天井が高く余計に広く感じる。
小さなテーブルの前でシンシがジャンプした。
「私が降り立つ程のスペースはありますね」
その言葉を聞いて、葉瑠ははしごを登り始めた。