今宵の月は美しい【完】
「デキ婚!?」

自分の身に今現在振りかかっている事態に、初めて私は気が付きました。

固まった私を見て、中鉢は不思議そうな顔をした。

「…何か問題ある?」

「!?…ない!!!!!!」

むしろ、大歓迎です。

吹田頼子が、嫌で嫌で仕方なかったので。

「……けど」

「けど?」

これ以上我儘言っては、不味いのかもしれない。

でも、なんかあるじゃん!?
プロポーズしたり、指輪貰ったり!!

くっ…ないのかよ、こいつそういうの!!

一応女の子なんですけど、私もこうみえて。

「ああ、そういうのは、ちゃんとしてあげる。
だって今日聞いたばっかりだから、仕事辞めてくるのが精一杯だったよ。
他の人に迷惑かける事だからさ?」

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