今宵の月は美しい【完】
いたよ、先生に夢見ちゃう女子高生がここに!

陣野さんはここでは不味い!とばかりに、来たときのように私の腕をつかみ、廊下に連れ出した。

「マ、ジ、で?」

「い、言わないで、……。
言わないでね、ヨリちゃん」

言わないし、言えません。

中鉢、モテ期来てるのだろうか。

「い、言わない…。
言わないから、手離して」

「ごめんっ!」

どこがいいんだろう、学校でのアレの。

放課後はお化け屋敷に住んでる、ただのエロいオッサンだぜ?

「ううん…私のほうこそごめん。
みんなの前で」

「まさか気付かれるなんて思わなくて!
鋭すぎるよ、ヨリちゃん!」

だって、私いつも「この差どうなの?ありなの?」、って自問してたからさ。

でもそれでわかった。

「…ええと、…
だから、待っててくれたの?」

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