今宵の月は美しい【完】
「年の差が…倍って、ありですか?」

最も感想を聞きたいのはそこではないとは思うのだが、私が興味を持てたのはそこだけでした。

「ありだよ!純愛だもの」

「まだ陣野さん、15歳? 
そしたらチューバチに、処女どうぞー!って言ってるようなもんだぜ?これ」

「えっ」

見知った人物の名前でリアルに想像してしまったのか、陣野さんは真っ赤になってしまった。

他の3人は聞いていない振りして原稿に向かっているけど、絶対聞いてる…。

ちっともペン動いてないし!

「…じ、時代的な感じで…」

「どこから出て来たの?15歳差。
もしや陣野さん、さっきも庇ってたし、本当にチューバチのことが!?」

なーんてね、とからかっただけのつもりでした。

「!!!!」

はは、図星とは思いませんでした。

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