私だけの王子さま

衝撃の接点


スラリとした長身。

少し長めの明るい髪の毛。

整った顔立ち―――。


外見だけなら、完璧に近いこの男。

一応、まだ未成年のくせに、煙草なんかくわえている。



「アキラ…どうして?」

あまりの衝撃に、私の声は震えていた。


「自分の地元にいたら悪いのかよ。」

驚きを隠せない私に、そう言い放つと、アキラは持っていた煙草をいきなり踏み潰した。


「何だよ、お前。
俺と別れてそんなに経ってないのに、もう新しい男連れてるわけ?」


鋭い目付きを向けながら、ジリッジリッと近寄って来る。


まさか、アキラの地元が委員長と同じだったなんて思いもしなかった。


外見だけの付き合いだった私にとって、そんなことは興味すらなかったのだ。


だけど、どうして?

よりによって、なぜ今日なのだろう?



恐怖のためか、全く身動きが取れない。

そうしている間にも、アキラとの距離はぐんぐん縮まっていく。



ゴクリ…

隣にいる委員長が息を飲んだのが分かった。


私の行動が招いた事態に、委員長を巻き込むわけにはいかない。


私は、近づいてくるアキラをキッと睨み付けた。



「おー怖っ!せっかくの可愛い顔が台無しだぜ?」


アキラは、不適な笑みを浮かべ、私の目の前まで来ると、スッと手を前に伸ばした。



殴られる―――!!



< 136 / 220 >

この作品をシェア

pagetop