私だけの王子さま





―――その日のボランティアの帰り、例の公園を通り掛かった。


まだ少し明るいせいか、賑やかな声が聞こえて来た。



約1ヶ月前、私がどん底に突き落とされた時に泣いていたブランコに、今日は小学生くらいの子どもたちの姿がある。


寂しそうに置かれていたスコップも、今は小さな子どもの手の中で笑っていた。



ここは、私にとって大切な場所。


それは、たぶん、いつまで経っても変わらない。



委員長と初めてまともに話したのも、


委員長への恋心に気付いたのも、


委員長と初めて待ち合わせをしたのも、



全部、この公園だった。



今の私を作ってくれた場所なんだ。



私は、この夏の思い出を振り返りながら、小さく呟いた。



「ありがとう…」





明日は、私にとっての



運命の日―――…。







< 201 / 220 >

この作品をシェア

pagetop