私だけの王子さま

三文字の言葉





‘相原…ごめん’




ごめん…


たった三文字の言葉。



私の想いは、届かなかった…?



委員長の申し訳なさそうな表情が、


それを示していた。




「俺…」


「…いいのっ!

気にしないで。

私の方こそ、ごめんね、急にこんなこと言って…」


何かを言おうとした委員長の言葉を遮って、涙を堪えながら言った。


これ以上は、聞きたくない。


全部、私の空回り?


委員長の過去を知った日、


抱き締め合った時、


分かり合えたと思った。



委員長も、私のことを特別だと思ってくれていると、感じていたのに――…。



「私…帰るね」


「え…?」


「私を変えてくれて、ありがとう」



涙のたまった瞳で、


精一杯の笑顔を見せた。



「じゃあ、明日また学校で…」


そう言って、目の前の愛しい人に背を向けて歩き出した。



―――本多さん、

ごめんなさい。


私、舞さんの夢、叶えられなかった…。



堪えていた涙が、溢れ出しそうになった、


その時…。




「相原…!


待てよっ!!」







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