私だけの王子さま

そう言えば、委員長はどこに住んでいるのだろう……？

私のことを送ってくれた後、元来た道を戻って行った。


それは最寄り駅とは反対方向のはず。

あれ、私、委員長自身のことは、ほとんど聞いてないや……。
もう少し、話したかったな。


鞄の中を探り、さっきもらったメモを開いてみた。

そこには、委員長らしい綺麗な文字で、携帯の番号が書かれていた。


電話をかけようかどうか迷ったけれど、今日はもう遅いし、また改めてお礼も兼ねて電話をすることにした。


それよりまずは、今日のアリバイを作ってくれた麻智にお礼をしなければならない。


時計を見ると、1時を回っていた。
麻智なら、まだ起きているはずだ。


「電話でもするか……」


家族を起こさないようにそっと階段を上がり、自分の部屋に入ると、再び携帯を開いた。