私だけの王子さま

本当の気持ち




「それは‘好き’ってことだよ」


あの後、心配して私のことを追って来てくれた麻智。


私は今、委員長と会ったあの公園のブランコに麻智と二人で並んで話している。


麻智は、委員長が女の人と歩いていたことには信じられないと言っていたのに、その時の私の感情には、はっきりとそう答えを示した。



「そう……なのかな?」

私には正直まだよく分からなかった。

好きなんて気持ちは、何年も前に忘れてきてしまったから。

好きって何?
どういう気持ち?
どうしたら分かるの?

そんな思いがぐるぐると回っている。


「うん。柚季はさ、今までに胸がぎゅうってするような恋、したことなかったんじゃない?」

「胸が……?」


ぎゅうってする恋。

確かにこれまでは、彼氏と一緒にいても嬉しいとか、幸せとか思ったことはない。

自分から会いたいと言ったこともなければ、彼氏が他の女の人といたって、別に平気だった。



だけど……、
今回は違う。



委員長の声が聞きたくてたまらなくなる。

会いたいって思う。

他の女の人といるのを見て、まるで胸にナイフが刺さったようにズキズキした。



でも――。








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