私だけの王子さま




――やっと気付いた、私の本当の気持ち。



委員長といると、落ち着く。

もっと話したい、会いたいって思う。

他の誰かと一緒にいたら、胸がズキズキする。



恋ってきっと、顔とかスタイルとか、相手の一部分だけを見てするものではない。


相手の持っているもの全てを、自分の全てで感じ取る。


それが、恋。



だとしたら、今はっきりと言える。



「麻智、私……。


委員長のこと、好きになっちゃったみたい……」


俯きながらもはっきりと言った私に、麻智はニコリと微笑んだ。


「自分の気持ちが分かって、良かったね」



私はゆっくりと、頷いた。




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