私だけの王子さま
その後、簡単な反省会に出席し、帰る頃には10時を回っていた。
委員長と待ち合わせしたのが朝の7時だから、かれこれ半日以上一緒にいたことになる。
これまで、学校での委員長しか知らなかった私にとって、ボランティアをしている時の委員長の姿はとても新鮮だった。
きっと、私だけしか知らない委員長の姿。
そう思うだけで、嬉しい気持ちになれる。
だけど。
今、委員長の目に私はどう映っているのだろう?
公園で泣いていたあの時と比べたら、少しは変わって来た?
少しは…
人の気持ちを考えられるようになって来たのかな…?
自分ではそうしているつもりでも、花梨さんや他の職員さんを見ていると、まだまだ甘いと痛感する。
私は職員と話をしている委員長を見ながら、そんなことを考えていた。
「相原、帰ろう。もう遅いから、送ってくよ」
話を終えた委員長が私の所へやって来た。
今までの彼氏だったら、断っていた‘送る’という言葉。
でも、委員長だから…
大好きな委員長だから…。
「うん、ありがとう!」
もっと一緒にいたい。
素直にそう思えるんだ。