アクオー
「下の方に点けると上手くいくから」

掌で風をさえぎり、トミーは静かに点火した。

まるで母が台所で火を扱う様に、自然な動作で新聞紙に火を灯す。

「これって・・・」

「しっ」

訊こうとすると彼女は口元に人差指をあてて、僕を制した。

「点けたら、すぐに離れるの。行こっ」

僕の手を引っ張るトミー。

温かくて柔らかな、優しい手だった。
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