アクオー
「ここなんか、どうだろう?」

橋を越え、少し暗くなった土地に、まだ新築らしき一軒家が建っていた。

真新しい大理石調の表札には『野沢』と彫ってある。

まだ引っ越したばかりだろうか。
勝手口の外には折り畳まれたダンボール箱が重なっている。

「いきなり新築いっちゃうの?」

驚きながらも瞳を濡らすトミー。
明らかに期待している。

「ああ。キミも見たいんだろう?」

僕らは自転車を降りた。
< 42 / 61 >

この作品をシェア

pagetop