アクオー
パチパチという乾いた音を立てて、斉藤家の壁を炎の舌が舐める。

味をしめた炎は、やがて上へ上へと、その身体を成長させながら登って行く。

ペロリペロリと周囲の餌を味見しながら・・・。

その成長の、あまりの美しさに見とれて僕もトミーもその場に立ち尽くしていた。

「綺麗・・・」

顔を紅潮させて炎を見上げているトミー。

その横顔に、つい言ってしまった。

「トミー。キミも綺麗だよ」
< 53 / 61 >

この作品をシェア

pagetop