教え子の甘い誘惑
やがて教室の中から音が聞こえてきた。どうやらHRが終わったみたい。

何人かの生徒が教室から出て行く中、アタシは頃合いを見計らって、彼に声をかけた。

「世納くん、ちょっと話があるんだけど、良い?」

「良いよ、センセ。オレもちょうど、センセと話がしたいなぁって思ってたから」

そう言って機嫌良く言ってくれた。

…コレは予想外。てっきり不機嫌になるとばかり思っていたのに。

「それじゃあちょっとついて来てくれる?」

「うん」

彼はカバンを持って、歩き出した。

連れて来たのは英語準備室。英語の資料が山ほど置かれたここには、1つの机と2つのイスがある。

込み入った話をするには、ちょうど良い場所だ。

「あのね、早速だけど、このまま英語の授業に出なきゃマズイこと、分かっているかな?」

できるだけ穏やかな表情と声で、聞いてみた。
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