愛のカタチ


『で?何してたんだ、こんな朝っぱらから。』


直哉くんが聞く。もちろん佑実に、だけど。


『今日の予定を立ててたの♪ね、紀衣?』


「えぇ、どっちの家で飲もうかって。」


あたしも適当に佑実に口裏を合わせる。


すると直哉くんがこの話しに食い付いてきた。


『今日って金曜だよな、皆で飲もうぜ。』


『……誰の家で?』


…今日初めて、俊也くんが口を開いた。


『そりゃぁ、俊也ん家だろ。』



俊也くんのマンションはあたし達4人の中で一番広い。直哉くんのマンションもそんなに変わんないんだけど。でも大抵、皆で飲むことになった時は俊也くんのマンションにお邪魔する。


『………まぁ、別に良いけど。』


眠たそうに目をこすりながら、俊也くんは答える。




『…じゃぁ、今日は直哉の家に泊まっていい?』



『あぁ……寝なくてもいいなら良いよ?』



いつの間にか勝手に自分達の世界に行ってるバカップルはいつものことでもう慣れてしまった。


今の会話的に俊也くんのマンションで飲んだ後、佑実が直哉くんのマンションに泊まるということだろう。

でも実際、今のような会話は無効になる。なぜなら皆飲んだら絶対俊也くんのマンションで雑魚寝して朝を迎えるから。その時のあたしと佑実の顔は最悪。メイクをもちろん落とさずに寝るためひどい顔になってる。


だから男2人には見せられないと、女の本能が働くのか何なのか、絶対朝は早く起きることができる。例え重度の二日酔いでも。






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