Monsoon Town
「――あいつ、結婚したんだな…」

陣内は小さな声で呟いた。

大森の妻となった人――それは、彼の隣にいる彼女なのかも知れない。

彼の姿を見送った後で、
「素敵な人でしたね、大森さん」

ひまわりは手をあわせて、恋する乙女のように顔を紅くさせながら言った。

そんなひまわりの顔を見たとたん、陣内は変な気持ちにかられた。

複雑なものが胸の中を回っている。

これは一体、何なのだろうか?

「そう思うか?」

そう聞いた声が震えているのは、気のせいだろうか?

「でもわたしは、陣内さんがすごく素敵だと思います」

ひまわりは陣内と目をあわせると、ニコッと微笑んだ。
< 278 / 433 >

この作品をシェア

pagetop