Monsoon Town
「誰って…あなたこそ、ミユの何ですか?」

そう言い返してきた男に、
「お前の言う“ミユ”は誰だ?

人違いじゃないのか?」

陣内はさらに言い返した。

「ミユは彼女です。

あなたの後ろにいる彼女こそが、ミユです」

そう行った男に、陣内はひまわりに視線を向けた。

ひまわりは小さな躰をブルブルと震わせて、怯えていた。

「彼女はお前が探してる名前の女じゃない。

そもそも彼女の名前は“ひまわり”だ、名前自体も違う」

そう言った陣内に、
「いいえ、彼女は間違いなくミユです。

彼女は行方不明になった僕の恋人なんです」

男は言い返した。

そのセリフに、陣内は耳を疑った。
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