Monsoon Town
場所も場所、時間帯も時間帯と言うこともあり、周りから好奇の視線を向けられた。

「ミユ、僕だよ!

忘れたの?」

自分を指差して男が問いかけるが、ひまわりは答えたくないと言うように彼から目をそらした。

病気なのかと思うくらい、ひまわりの様子はおかしかった。

こんな彼女を見たのは、ひまわりが怖い夢を見たと言うあの時以来である。

あの時も、ひまわりは今のように怯えていた。

目の前にいるこの男は一体何者なのだろうか?

どうして異常なくらいに、ひまわりは彼に怯えているのだろうか?

そう思いながら、
「――お前は誰だ?」

陣内は目の前の男に問いかけた。
< 356 / 433 >

この作品をシェア

pagetop