Monsoon Town
事務所を出ると、
「藤堂さん?」

その声に、藤堂は振り返った。

「周さん」

そこにいたのは、綾香だった。

「髪型を変えられたんですか?」

藤堂が聞くと、綾香は首を縦に振ってうなずいた。

赤茶色のミディアムだった髪は、ミルクティー色の軽めのボブになっていた。

「そうよ、似合うかしら?」

そう言って綾香はサラリと髪を揺らした。

「よくお似合いです」

藤堂がそう言うと、綾香は満足そうに笑ったのだった。

「失恋した時は髪型を変えるのが1番ね」

フフッと声を出している綾香は、とても楽しそうだ。
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