赤ずきんちゃんと狼くん-結婚編-
――――キィ‥、バタン
「‥さぁ、着きましたよ」
とさっ、と多分彼のだと思われるベッドに寝かされたわたし。
もちろん、ここに着くまでに何度も抵抗しようと試みたけれど、体も動かず、声も出ないわたしが抵抗できるはずもなかった。
わたしの体は、未だに動かせない。
「寝心地はどうですか? もうすぐ僕の家ではなく、僕とあなたの家になるんですよ。 何か足りないのもがあったら、遠慮無く言ってくださいね」
にっこりと、とても嬉しそうに笑う彼からは、最初に会ったときに感じた恐怖や冷酷さは感じられなくなっていた。
不覚にも、今では恐怖などではなく、ときめきを感じてしまうこともある。
そして、それに戸惑っているわたしもいる。
とりあえず、体を元に戻して欲しい。
動けないのはとても辛い。
彼に向かって、口をパクパクと動かしてみる。
「‥?―――ぁあ、忘れてたよ」
「ごめんね?」と言って、彼は右腕を振り上げた。
「―――っ、あ、あ、っ声が出る!体も動く!」
「やったー!」とはしゃぐわたしを、愛おしそうに見つめる彼に、不覚にもときめいてしまった。
―――まさか、わたし‥。
彼を好きになってしまった‥?
.
