赤ずきんちゃんと狼くん-結婚編-
「あら、そう。あなたの家ね」
――――僕の家?
「――‥って、なんで!?」
やっと理解出来た言葉に、本気で嫌がるわたし。
それを無視して歩き続ける彼。
「‥ち、ちょっと!家に帰して!だいたい、あなたの家にいって何するっていうの?!」
その場に踏み留まろうと頑張ってみるが、その状態のまま彼に引きずられてしまう。
「何って、さっきの続き?」
振り向き様にニヤッと笑った彼。
「あと、結婚式もだね」
゙儀式もあるし‥"と続ける彼に、拒否権はないのね、と思いつつ逃げれはしないか、と考えた。
「あ、逃げようとか思わないでね?どうせ逃げたってすぐ見つけられるんだから。まあ、そのときはお仕置きするけどね」
口端を上げて冷酷な笑みを浮かべる彼が、とても美しく見えた。
彼のペースに巻き込まれたまま抜け出せず、ずるずると引き込まれていくわたしは、はぁ‥、と溜め息をついた。
「そういえば、何故わたしはおばあちゃんの家で寝てたのかしら‥。花畑に居たはずなのに」
何故か急に眠たくなってしまって‥。
「‥ふふっ。それはね、僕が眠らせたからだよ」
くすくすと笑いながら、とんでもないことを話し出す彼。
「僕は狼族の中でも少数の、魔力を持つ狼なんだ」