赤ずきんちゃんと狼くん-結婚編-








「――――は?」



怪訝な目で彼を見る。



「‥信じてないね?」



彼ばふっ"と笑い、私を見つめる。



「当たり前でしょう?頭が可笑しくなったのかと思ったわ」



嘲笑を含めてそう言い放つと、今まで笑みを浮かべていた彼が真顔になり、ゆっくりと私に向かって右腕を振り上げた。



――――打たれる!



そう思い、咄嗟に頭を庇おうと両手を出し思い切り目をつぶった。




―――あれ‥?



しかし、いつまで経っても痛みはなく、手が振り下ろされる気配もない。
不思議に思い目を開けると、目の前には背筋が凍るほどの笑みを浮かべる彼がいた。



「とてもいい眺めだね」



くすくすと笑いながら、舐めるようにわたしの全身を眺める彼。



―――いい眺め‥?



なんのことかと思い、目の前の彼から自分の体に目を移すと――‥







「‥っきゃあぁぁああ!!」




森中に響き渡ったんじゃないかと思うくらいの叫び声を上げたわたしが見たのは、先程まで身に纏っていた赤いローブが無くなり、下着も付けていない状態の自分の姿だった。

即座にその場にしゃがみ込み、体を隠す。



「あーぁ、残念。でもわかってもらえたかな?」



「ふ、ふざけないで!」



怒りと羞恥で顔が真っ赤に染まる。



「早く服を返して!」



キッときつく彼を睨み付けるが、彼は全く気にせずに笑みを崩さない。



「僕に魔力があると認めてくれる?」



「そんなのある訳無いじゃない!どうせあなたが脱がせたんでしょう!?早く服を返して――‥あっ!」



わたしの言葉の途中で一瞬悲しげな表情をした彼が、再び右腕を上げた。
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